日本家屋の建具の一つである「障子」。いわゆる「格子状の木枠の片面に和紙でできた障子紙を貼ってある戸」のことです。子供の頃から身近なようで、それについて深く考えを巡らせた方はそういないかもしれません。
障子は間仕切りとして使用されるほか、障子は採光が可能なため、外部からの視線を遮りつつ、外の光を取り入れることもできます。
障子を閉めた状態でも室内は暗くならず、柔らかな優しい光によって心地よい空間づくりが可能です。光を取り入れることができる反面、完全に目隠しをすることはできませんが、直射日光や風を遮ることができ、多少の保温性も備えています。
平安時代からとされる「障子」の歴史
障子は遮る意味を持つ「障」と、小さな道具という意味を持つ「子」を組み合わせたもので、平安時代から使われてきました。その由来は中国にあります。しかし、当時は現在の「襖」に相当するものを「障子」と呼んでいました。
その後「襖障子」と呼ばれ、現在の障子の原型となるものが誕生したのは、襖の誕生からおよそ100年後です。
南北朝時代に入ると、和紙の生産量が増加し、間仕切りとして使用されるようになりました。障子は室内に光を取り入れられるため、当時は「明かり障子」と呼んでいました。その後、襖障子を「襖」、「明かり障子」は「障子」と呼ばれるようになりました。
和の建具「障子」だけが持つ魅力
日本の伝統的な建具のひとつ障子(しょうじ)。和紙を透過して室内に入る光は、ほかの素材では得られないやさしさがあり、白い紙に反射したやさしい明るさは部屋全体に広がります。木と紙で作られた障子の陰影を見ていると落ち着きが感じられ、シンプルで飽きのこないデザインも魅力です。
●調湿作用がある
日本は季節によって、乾燥したり湿気がこもりやすくなったりしますが、障子には調湿作用があるので、湿度調整を自然と行ってくれます。寝室やリビング等、居室スペースの快適性にも役立ちます。
●柔らかくて均一な光で部屋全体が明るくなる
障子は大気中にある光を柔らかく拡散させる効果があり、自然な明るさを作りだして心地よさを与えてくれます。例えば日差しの強い日中でも、障子なら光を優しく取り入れることができます。
●断熱効果がある
窓と障子の間に空気層も生まれるので断熱性も高まります。例えば、畳リビングや寝室に設けると足元も冷えにくく快適に過ごしやすくなります。
●空間に広がりが生まれる
障子が演出する陰影により、立体感が生まれ壁に奥行感が生まれます。その効果によって空間に広がりを感じることができます。例えば、リビングと畳間の仕切りを障子にすることによりその先の光と影が取り入れられるので、空間が続いているような感覚になります。
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