【施工事例】「UNITED TOKYO 京都柳馬場・PUBLIC TOKYO京都柳馬場港」 — 試着室にオーダー障子を設置|空間デザインと建具設計を両立

10月10日に京都・柳馬場通にオープンした
UNITED TOKYO 京都柳馬場・PUBLIC TOKYO京都柳馬場港
同店舗の試着室と仕切り部分に、当社 障子.com の オーダー障子 が採用されました。

現代的な店舗デザインの中に、和の障子を美しくなじませるため、
工務店・建築士の方々と連携しながら設計段階から改善提案を行いました。
本記事では、その施工事例と当社が提供した技術的サポートをご紹介します。

■ 店舗デザインに和の要素を取り入れたい工務店様からのご相談

今回の障子導入は、店舗の設計・施工を担当された工務店様より
「試着室の目隠しと空間の仕切りとして障子を使いたい」
というご相談から始まりました。

建築士の方より初期設計図をいただき、
空間デザインに合う障子の仕様、建具としての納まり、耐久性を総合的にチェック。
障子は「ただ取り付ければいい」わけではなく、
建付け・寸法・桟の配置・溝幅など、細部の設計が仕上がりを大きく左右します。

■ 設計段階で発見した“骨が重ならない問題”

当社がまず気づいたのは、
引き違い障子を開けたとき、2枚の桟(骨)が重ならない設計になっていた点でした。

桟が揃わないと…
・ 光が透けたときに骨が二重に見える
・ 美しさが損なわれる
・ 店舗照明との相性が悪くなる
・ 店舗デザインの世界観から外れる
という問題が起こります。

特にアパレル店舗は照明の質が高く、光の影がはっきり出やすいため、
桟のズレが強調されてしまうことがあります。
これは一般の建築設計では気づきにくい、
建具の専門性が必要なポイントです。

■ 改善提案:開けても閉めても美しい障子へ

当社の建築士が建築設備の視点から図面を見直し、
開いたときに骨がぴったり合う設計へと改善案を提示しました。

これにより、
・ 障子の影が美しく揃う
・ 試着室周りのラインが整う
・ 現代的なインテリアとの調和が生まれる
など、空間全体の完成度が高まりました。

当社が得意とする
「クリエイティビティ × 実現可能性」
が最も発揮された部分です。

■ 鴨居の溝幅も最適化。現場を見ずとも違和感を把握

さらに図面から、
鴨居の溝幅が障子を正しく納める寸法になっていない可能性があると判断し、
工務店様に現場で正確な寸法確認を依頼。

溝幅が数mm違うだけで、
・ 障子が動かない
・ ガタつく
・ 長期使用で破損しやすくなる
といった問題につながるため、非常に重要な工程です。

建具専門店としての経験から、
正しく納まるかどうかを図面だけで判断できる点は、当社の大きな強みです。

■ 和空間 × 店舗デザインに障子が選ばれる理由

最近、アパレル・飲食店・ホテルなどで
「和の抜け感」「柔らかい光の演出」を目的に障子の需要が増加しています。

障子には
・ 光を柔らかく拡散する
・ 目隠ししつつ圧迫感を出さない
・ 洗練された“日本的美意識”を表現できる
というメリットがあり
ます。

しかし同時に、
和室とは異なる商業空間に設置する場合、設計ミスが起きやすい建具でもあります。

今回のように、
「設計目線」と「建具職人目線」の両方から調整できることが、
空間のクオリティ向上に直結します。

■ まとめ:空間を引き上げる“細部の仕事”が建具の価値

今回の京都店プロジェクトは、
建築 × 建具のコラボレーションが成功した好例となりました。

・ 空間設計を理解
・ 建具の専門知識で改善
・ 美と機能性を両立
・ mm単位の精度で納まりを最適化

こうした細部の積み重ねこそ、
和の空間づくりで一番大切な要素です。

■ 障子のオーダー・店舗での設置をご検討の方へ

障子.comでは、
店舗・ホテル・商業施設などのオーダー障子の制作・設計サポートを行っています。
・ 店舗デザインに和の要素を取り入れたい
・ 空間に合う特注の障子をつくりたい
・ 設計段階から建具の専門家にチェックしてほしい
という工務店・設計士・事業者様はお気軽にご相談ください。

空間設計 × 建具設計の両面から、理想の和空間を実現いたします。