障子の正しい張り替え方【初心者向け】プロが教える道具・手順とサイズ選びのコツ

障子.comでは、世界に優しい日本文化である建具職人の技と心を守り伝え継ぎ、和の心と調和を大切にしながら、心安らぐひとときをつくるために障子や建具に関する情報を発信しています。

ここでは「障子の張り替え方」に関する解説動画と記事をご紹介します。初心者の方でも安心して取り組めるよう、道具選びから張り方のコツまでプロの視点で丁寧に解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。

■ 動画紹介:プロ職人が教える障子紙の基本の張り替え方

今日私が山形県の「斉藤勇治建具店」さんにお邪魔し、プロの障子貼り職人である佐藤さんから障子紙の正しい張り替え方を教えていただきました。

動画では「障子の張り替えって難しそう…」「道具や糊の選択が分からない…」といった初心者の不安を、丁寧な説明で解消してくれます。誰でもすぐに実践できるよう、道具選びから貼り方のコツまでしっかりなポイントもすべて網羅!

※この記事の準備:まず動画内で紹介された内容をまとめ、後半動画で解説しきれなかった部分やよくある質問について考えます。記事を読めば動画の内容がさらに理解でき、障子張り替えに関する疑問も解決するはずです。

■張り替えに必要な道具と材料

初心者が障子の張り替えに挑戦する際は、事前の道具準備が成功の鍵です。動画で使用していた道具・材料と選ぶポイントを紹介します。

• 障子用のり(ペースト) – 必ず障子紙専用のペーストを使用します。市販の安価な液体のりやスティックのりで代用すると、乾燥後の強い力が強すぎて紙が剥がしづらくなるなど障子には不向きです。

障子専用ペーストは澱粉など由来成分でできております紙に天然に優しく、水溶性で張り替えやすいのが特徴です。

使用時はメーカー説明書に従って水で加減しましょう(目安はペースト:水=10:1程度)。 水が多すぎると次に力が落ち、濃すぎると乾燥時に紙が制限して桟を強く引っ張りすぎてしまいます。

動画では一般的な障子紙よりもかなり扱いにくい「タフトップ」という強化紙を使用しました。

縦に引っ張っても簡単には裂けず、水に濡れても繊維が強いため初心者でも扱いやすい紙です。 特に小さなお子さんやペットのいるご家庭では、多少ぶつかった程度ではかなり難しい強化紙がおすすめです。

反対に、思い切って薄かったり安すぎる紙(例:100円ショップの障子紙)は慎重に扱いが難しいため避けたほうが無難でしょう。

職人は豚毛など高品質刷毛を使いますが、家庭で一度きりの使用なら市販の安いものでも構いません。

ポイントは刷毛をトントンと使えるように使えること。実際の動画でも、刷毛を叩くように均一に一時のりを塗っていました。

• カッターナイフ -紙を仕上げにカットするため、新しい刃をご用意します。刃先が鋭利でないと紙が綺麗に切れず毛羽立つ原因になります。

またカッターは寝かせ気味の角度で使うとゆっくりな切断面になります(立すぎると口がギザギザに切り荒れます)。

•定規(カット定規) –カッターで切る時に即定規です。でき障子の桟の幅に合った長さの定規があるとすぐ切れて便利ですが、家庭ではとりあえずの間ずっとめの定規でもかまいません。

透明なアクリル定規(厚さ5mm程度)だと下の桟が見えてラインを合わせやすく、安全に力をかけられます。桟に沿って使って、ある程度厚みと重さがあるものが安定して切りやすいでしょう。

•その他の道具 – マスキングテープ(またはセロハンテープ):紙を仮止めするのに使います。
のり用トレー:ペーストを入れてブラシ毛で使う容器。市販品や代用品として靴のサイズトレーなど平たい容器でもOKです。
スポンジや霧吹き:
古い紙を剥がすときに水を含ませて使います(詳しくは後述)。

▽メモ:障子紙の種類と貼り方について
現在、障子紙の貼り方には「ペースト貼り」の他にアイロン貼りタイプや両面テープ貼りタイプの商品も販売されています。

アイロン貼りは紙の裏側に熱で溶ける樹脂ペーストをつけていたもので、アイロンの熱を当てて次に行います。 両面テープタイプは先に桟に専用の両面テープを貼り、その粘着で紙を貼る方法です。

どれも簡単なのが魅力ですが、本記事ではオーソドックスな「ペーストで貼る方法」を中心に解説しています(他のタイプを使用する場合も基本的な手順自体は似ています)。

■ 手順:障子紙の張り替え基本ステップ

それでは、実際の障子紙の張り替え手順を5つのステップに沿って説明します。初心者の方でも失敗しにくいポイントを押さえていきましょう。

1. 古い障子紙を剥がす

まず古い障子紙の取り外しから始めます。 前の紙をつけていたままでは新しい紙を綺麗に貼れないので、ここは丁寧に行います。 剥がし方は以前の貼り方によって異なります。 以下の方法を参考にしてください。

• 糊で貼ってあった場合(一般的な障子紙):霧吹きや水を含ませたスポンジで、古い紙の上から桟をまんべんなく濡らします[7]。水をかけると糊がふやけて紙が剥がしやすくなります。数分間から端からゆっくり紙を剥がしましょう。

• アイロン貼りタイプの場合:紙の端にアイロンを当て、ペースト樹脂を熱で溶かしながらゆっくり剥がします。熱いうちに少しずつはがすと簡単に比較的に取れます。

• 両面テープ貼りタイプの場合:紙がビニール系素材で裏にテープ貼り付けた強化障子紙などは、角からそのまま引き剥がしますか、必要に応じてドライヤーの温風を当てて粘着を柔らかくしつつ剥がします。

古い紙を剥がしたら、桟に残った糊や紙片を綺麗に除去します。濡らした布やスポンジで桟を擦り、古い糊をふやかしながらヘラ等で丁寧に削り落としてください。

この底処理をしっかりと新しい紙がしっかり付かず、結果にシワや凸凹が出る原因になります。 桟全体を拭き終えたら完全に乾燥させましょう。濡れたまま次の工程に進むとのがうまく付かないので注意してください。

2. 新しい障子紙の位置合わせ(仮止め)

次に、新しい障子紙を障子枠に仮止めして位置を決めます

1.障子の桟(さん)全体に新しい紙を重ねてみて、紙を貼る向き・位置を確認します。ロール紙の場合は紙が転がって全体にかぶせ、紙の端が四方の枠から2~3cmずつ余裕を持って余る位置に調整しましょう。柄の紙の場合も、図柄が桟に対して違和感なく配置されると確認します。

2.紙の位置が決まったら、障子枠の上辺の桟に紙をテープで仮止めします。まずは上中央辺あたりを1ヶ所留め、紙が枠に対して平行になったら確認します。

歪んでいれば貼り直し、すぐに上辺の左右端もテープで留めて計3ヶ所固定します。マスキングテープが剥がしやすくおすすめですが、無ければセロテープでも代用可能です。

3. テープで仮固定したら、一度紙を巻き直すように半分ほど丸めておきます。これからのりを塗るため、紙が邪魔にならないよう枠の外側に丸めて避けてくださいイメージです。

※ポイント:紙の寸法と障子サイズ
市販の障子紙には幅や長さにいくつかの規格があります。一般的な障子(半間サイズ)なら幅94cm前後のロール紙で足がいきますが、丈の長い障子向けに幅広・丈長の紙も売られています。張り前に使いの障子のサイズを測って、紙を選ぶ際に迷いません。

障子の高さや桟の数によって必要な紙の長さが違うため、購入時は「○本分貼れる〇m巻き」のような表示もチェックしましょう。

特殊なサイズの障子や紙の寸法選びに不安がある場合は、当サイトの「障子サイズの測り方ガイド」(内部リンク)も参考にしてください。

3.桟に糊を塗る

ここはスピードよりも均一に塗ること大切です。

• ペーストの準備:障子用のりをトレーに出して、必要に応じて適切な割合で水を加えてよく混ぜます。ペーストの硬さの目安は「重湯(おもゆ)」くらい、刷毛でスッと塗れる緩さです。

• 塗り始める位置:仮止めしている上辺から塗り始めます。まずひたすら桟(縦横に格子状に組まれた部分)のほうを先に塗り、最後に四方の太枠(外枠)を塗り順番がおすすめします。外枠は最後なので、塗った後すぐに紙を貼り付ける際に手や服にのが付くのを防ぎます。

• 刷毛の使い方:刷毛にはたっぷりペーストを含まず、桟の上を軽く叩くようにトントンと置いていきます。 ゴシゴシと刷毛を引きずるとペーストムラやはみ出しが大きいため、「点置き」するイメージで細かく塗りましょう。

• ペイント量と範囲:桟の木部に面うっすら濡れる程度に糊が渡ればOKです。多少過ぎても乾けば透明になりますので神経質にならなくて大丈夫です。

外枠部分は内側寄りに幅1~2cm程度の帯状にペーストを塗ります(外全面枠に塗る必要はありません)。 また、一度に全部の桟にペーストを塗ろう、上半分から貼って下半分というように少し塗って貼り、また塗って貼り続ける方法だと焦らず安心です。

(※万が一「速乾性」の障子用後続剤を使う場合は、一気に貼らずに2/3回塗って貼るなど工夫してください。 普段はのんびりやってもペーストがすぐ乾いて貼れなくなることはありませんので、落ち着いて作業しましょう。)

4.新しい障子紙を貼る

ペースト付けができたら、乾かないうちに障子紙を貼り付けます

• 貼り始め:最初に固定した上辺から紙を転がして貼ります。紙がたるまらずピンと張りながら、端から順に空気を押し出すように指または手のひらでなぞりつついていきます。

• 位置の微調整:貼っている途中で紙が歪んでしまった場合は、ペーストが乾く前であればそっと紙を持ち上げて貼り直すことも可能です。無理に引っ張りすぎると紙が慎重になりますので、力加減に注意しながら優しく調整してください。 強化紙とはいえ我慢な力には弱いので丁寧に扱いましょう。

• 貼り終わるので一つする:全体に紙を載せ終わったら、桟の格子一つの上から軽く押さえて紙をしっかりさせます。

• 紙の巻きグセ対策:ロール紙の場合、巻いてあったクセで貼ったすぐに紙が端から少し浮いてきます

5. 節約な部分をカット・仕上げ乾燥

貼り付けが完了したら、はみ出している紙をカットして仕上げます。

• カットするラインを決める:まず障子枠の縁に沿って、紙に爪で軽く筋をつけます。こうなると今度カッターの刃をすぐにラインが立ってしまいます。 特に薄い紙の場合、この一手間でとりあえず切りやすいのでおすすめです。

• 定規を当てて切る:障子枠の木にぴったり沿うように定規を当て、カッターナイフでゆっくりな紙を一気に切り落とします。 カッターは必ず切れ味の良い刃先を使って、途中でやっと刃を折って新しい切れ味で再開しましょう。 途中で止めずにすぐに切るのが綺麗に仕上げるコツです。

• テープの削除:カットが終わったら、そこで仮止めに使ったテープを静かに剥がします。 テープで止まっていた部分の紙も慎重にされているはずなので、それらの念のためな紙片も全て取り除きましょう。 これで新しい障子紙が枠ぴったりのサイズに張られた状態になりました。

最後に、貼った障子紙をしっかり乾燥ます

豆知識:雨の日の作業が実はおすすめ?
実は障子の張り替えは雨の多い時期に行うときれいに仕上がるという話があります。

意外と思われるかも知れませんが、晴天のカラッと乾燥した日よりも、適度に水分がある環境のほうが仕上がりが良い場合もあります

■よくある質問と仕上げのコツ

最後に、障子の張り替えに関してよく寄せられる疑問や、プロの現場からのアドバイスをQ&A形式でお答えします。

Q1. 貼った後にシワやたるみができたら霧吹きをしてもいいの?

A.小さなシワであれば、乾燥過程で紙が短くなって自然に伸びて見えなくなることが多いです。 どうしても気になる場合、軽く霧吹きして紙を湿らせると乾燥時にピンと張るためのシワ取り効果があります。

特に霧吹きの多用には注意が必要です。 特に強度の高い障子紙は湿らせて紙の張力が非常に強くなり、ペーストやテープの次に力を上回って紙が折れたり、木枠自体を引いて桟が反って曲がったりしてしまうことがあります。

プロの佐藤さんも「基本的に霧吹きは使わない」と話してい

Q2. 障子紙は毎年張り替えてはいけませんか?

A.昔は年末の大掃除で毎年張り替えるご家庭も多くありましたが、現在では毎年張り替える必要はありません

日当たりが良く常に日光にさらされている障子は紙が傷みやすいため少し早めでも良いですが、無理に頻繁に変えることはありません。

Q3. 両面テープやアイロンで貼るタイプの障子紙も気になります。違いはありますか?

A.両面テープ式やアイロン式の障子紙は、初心者には扱いやすい時短になるというメリットがあります。 アイロン式はアイロンをかけるだけ、テープ式は糊を使わずシール感覚で貼れるため、手や周囲を汚しにくいです。

ただし、これらは製品ごとに貼り方・剥がし方のコツが違います。例えばアイロン障子紙は温度管理やアイロンを当てる時間に注意が必要ですし、テープ式も一度貼って貼り直すのが難しい場合もあります

どの方法にも一長一短ありますので、「手軽さ優先」か「伝統的な仕上がり重視」かで選ぶと良いでしょう。

Q4. 張り替える自信がない場合はどうすればいいですか?

A.張り替え作業が不安な方、枚数が多くて大変な場合は、プロに依頼する一つの手です。

さらに業者ならではの豊富な紙の種類から選べる強みもあります。 部屋の雰囲気に合わせたデザイン紙や、障子独特の新調・リフォームなど、プロならではの提案も受けられます。 もしDIYに不安があるときは遠慮なく専門家に相談することをおすすめします。

■まとめ

障子紙の張り替えは、正しい道具選びと手順のコツさえ押さえれば、初心者でも十分に仕上げることができます。 古い紙の剥がし方からペーストの塗り方、仕上げのカットまでポイントを順に説明してきましたが、いかがでしょうか? ぜひこの解説と動画を参考に、ご自宅の障子張り替えにチャレンジしてみてください。

その場合は障子.comをぜひ活用してください!障子.comではプロの建具職人による張り替えサービスのご相談や、強度アップした障子紙・伝統柄障子紙など商品のご購入も承っております。

和の空間を支える障子、皆様が快適で心安らぐひとときを過ごしましょう、障子.comがお手伝いいたします。ぜひ当サイトのサービスや関連情報も活用して、理想の和室づくりにお立ち寄りください。

この記事と動画が、あなたの障子の張り替えの一助となれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。これからも障子.comでは、伝統の技術を活かした和の暮らしに役立つ情報を発信してまいります。障子や建具について何かありましたら、いつでもご連絡・ご相談ください。