【和風建築の基本】障子で使う木材が日本全国で違う納得の理由

■地域ごとに違う木材選び

障子の木材は、建物の柱や建具との調和を大切にして選ばれています。

地域によって入手しやすい材が異なるため、障子に使う木材も自然と変わってきます。

・ 【東北地方(秋田・青森)】

     秋田杉:白身と赤身が混ざる柔らかい質感

  青森ヒバ:黄色みがあり、やや硬く丈夫で美しい

・ 【中部地方】

   「桧(ひのき)」を使用することが多い

・ 【お寺や格式ある建物】

   「欅(けやき)」の柱に合わせて、障子も欅材でつくられる

■天然木と植林材の違い

・ 天然の杉はすでに伐採禁止 → 非常に高価で、特別に保管されている材しか入手不可。

・ 現在は戦前・戦後に植えられた杉が使われている。 

・ 天然杉は目が細かく、艶があり、ほんのりピンクがかる最高級の材。

■耐久性とメンテナンス

・ 杉の障子は、雨に当たらなければ50~60年は使用可能。

・ 塗装すると塗膜が先に劣化してしまうため、無塗装または自然塗装が主流。

・ 以前は「柿渋塗り」などもあったが、日光や経年で割れや色むらが生じやすいため、現在ではほぼ行われていない。

■ 部品や構造の工夫

・ 長年使うと、障子の骨が折れることがある。

・ 部分修理が可能で、新材を入れると一時的に色の差が出るが、使い込むほど周囲と馴染んでいく。

・ プラスチックを使わない木製障子は、修理しながら世代を超えて使えるのが大きな魅力。

■ まとめ

・ 障子の木材は「その土地の柱や建具に合わせて」選ばれる。

・ 秋田杉、青森ヒバ、桧、欅など、地域ごとに特徴的な材が使われている。

・ 天然杉は希少で高価。現在は植林材が中心。

・ 無塗装で使い、折れや劣化は修理して受け継ぐのが和風建築の知恵。

■最後に

興味を持っていただけた方は、ぜひ障子.comでご自分にぴったりの障子を探してみてくださいね!