皆さん、障子ってただの仕切りだと思っていませんか?
でも、実は使う木材一つで見た目も耐久性も大きく変わります。
この動画では、職人がこだわる木の選び方から、長く愛される障子ができる理由までをお話します。
■ホームセンターの木材は障子に使える?
結論からいうと、難しいです。
ホームセンターの木材は、曲がった状態で加工されていることが多く、 長い障子を作るときに真っ直ぐさを保つことができません。
特に2mを超える障子の場合、材料に少しでも曲がりがあるとすぐに使えなくなります。
だからこそ、職人は一本一本、木を見極めて選ぶ必要があるのです。
■木材選びの3つのポイント
木を選ぶ際には、大きく分けて「色」「重さ」「木目」の3つを重視します。
【1.色】
杉材には「赤身」と「白身」があります。
障子に使うのは主に赤身ですが、色が濃すぎる赤身は乾燥すると割れやすく、長尺の材料には不向きです。
淡い赤身のほうが扱いやすく、美しい障子に仕上がります。
【2.重さ】
長さ4mの木材を手にすると誰でも重く感じますが、実際には同じサイズでも重さが違うものがあります。
軽い木はしっかり乾燥されていて水分が抜けているため、曲がりにくく障子に適しています。
【3.木目】
まっすぐで細かい木目を持つ木は、反りや曲がりが少なく、長い障子でも形を保ってくれます。
特に、外側の白身部分を切り落とし、赤身の木目がまっすぐ通った部分を選んで使います。
■いい木でも使える部分はわずか
幅の広い板を見ても、実際に障子の「かまち」として使える部分はごくわずかです。
節を避けたり、白身を外したりして切り出すと、一本の木から取れる材料はほんの少し。
長い障子に使える木となると、さらに限られてしまいます。
■曲がった木はどうなる?
もちろん、曲がりを削って修正することもできます。
しかし、元々曲がっている木はどうしても反りが出やすく、2m超えの障子には不向きです。
最初からまっすぐな木こそが、良い障子を支える条件なのです。
■現代の家と障子の長さ
最近の住宅は天井が高く、2mを超える障子の注文が増えています。
そのため職人はますます慎重に材料を選び、お客様に喜んでもらえる障子を仕立てているのです。
■ まとめ
・ ホームセンターの木材では長い障子は難しい
・ 色・重さ・木目の3つが材料選びの基準
・ 幅広い板からでも使える部分はごくわずか
・ 2mを超える障子には、特にまっすぐな良材が不可欠
障子作りの真髄は、実は「見えないところでの材料選び」にあります。
一本一本の木と向き合い、最適な部分を見極めることで、美しく長持ちする障子が完成するのです。