【建具の歴史】書院造の建具は室町時代から始まった和室の歴史です!

■ 書院造の建具に見る、和室の美しい歴史

ある日、職人の会長に少し変わった建具を見せてもらいました。
「これって、どんな建具なんですか?」と尋ねると、
「これは“書院造(しょいんづくり)”の意匠を受け継いだ作りなんですよ」と教えてくれました。
欄間(らんま)や組子(くみこ)などを組み合わせたこの建具は、室町時代に始まった和室文化の象徴。
間仕切りとしての機能だけでなく、光を通しながら空間を美しく演出する、日本独自の工芸です。

■ 農家や料亭でも愛された「凝った意匠」

昔は農家の家や料亭でも、このような書院造の建具がよく使われていました。
特に料亭では「自分の店は一流だ」と示すために、職人の技を凝らした建具を競うように取り入れていたそうです。
木組みや透かし彫り、細かな装飾など、一つ一つが手仕事の芸術品。
日本人の「空間を飾る」という美意識が、建具にも息づいています。

■ 雪国の知恵と職人の手仕事

当時の職人たちは、冬の間に建具を作りため、春に納品するというスタイルで仕事をしていました。
雪で外作業ができない時期を活かして、家の中でじっくりと木を組み上げていく。
その丁寧な仕事が、日本家屋の温かみを支えてきたのです。

■ 現代では減りつつある「和の建具」

残念ながら、今ではこのような建具を望む人が少なくなりました。
「若い人たちは和室を持たない家づくりが多く、こうした建具の需要も減っているんです」と会長。
しかし、こうした職人の手でしか作れない美しい建具は、日本建築の魂そのもの。
少しでもこの文化を知り、未来に残していくことが、今を生きる私たちの役目なのかもしれません。

■最後に

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