建具職人・佐藤さんの手にあるのは、少し変わった形の鉋(かんな)。
これは「際鉋(きわがんな)」と呼ばれる、職人の必需品です。
■ 際鉋(きわがんな)とは?
際鉋は、木の角(かど)や端(はし)ぎりぎりを削るための特別な鉋です。
普通の鉋は刃が真ん中にあるため、壁際などは削り残してしまいます。
ですが、際鉋は刃が片側に寄っているので、端まできれいに削れるのが特徴。
■ 障子づくりに欠かせない道具
佐藤さんによると、障子の「面取り」など細かい仕上げにはこの鉋が欠かせないそうです。
「普通の鉋では届かない場所も、際鉋なら端まできれいに削れるんですよ。」
実際に使うと、木の角が滑らかに整い、美しい仕上がりに。
“この工具じゃないとできない仕事がある”という言葉がぴったりです。
職人の手仕事は、こうした道具の工夫に支えられています。
道具を知ることは、職人技の本質を知ることでもあります。
■最後に
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■ 障子を長持ちさせるコツは「優しく扱う」こと 「障子を長く使うには、どうすればいいですか?」という質問に、建具店の会長が答えてくれました。 ポイントはとてもシンプル。 開け閉めを“優しく”行うこと。 「力を入れてバタンと閉めるのではなく、そっと開けて、そっと閉める。お茶会などの場ではそれが当たり前の作法なんですよ」と会長。 日常のちょっとした心がけが、障子を長持ちさせる秘訣なんですね。 ■ 掃除の基本は“乾いた道具”で 次に気になるのが掃除の仕方。 「昔はハタキでホコリを落としたり、うすい空気の吹き出し(空吹き)で掃除していました」と会長。 濡れ雑巾で拭くのはNG。 障子紙が湿気で伸びたり破れたりしてしまうため、乾いた方法でホコリを落とすのが基本だそうです。 ■ 現代の家でも使える“やさしい掃除法” 最近の住宅はフラットな壁が多いですが、日本家屋は凹凸が多いのが特徴。 そこにホコリが溜まりやすいので、軽いハンディモップなどで優しくなでるように掃除するのが効果的。 「そのくらいの掃除なら、とても良いと思いますよ」と会長も太鼓判。 ■ まとめ 障子を長く美しく保つコツは、 ・ 優しく開け閉めする...
建具職人の佐藤さんに、見慣れない形の鉋を見せてもらいました。 一見すると「変わった鉋」に見えますが、これは紙貼り鉋(かみはりがんな)」と呼ばれる特別な道具。
■ 紙を貼る部分を削るための“専用鉋”
この鉋は、障子の「紙を貼る部分」だけを削るための専用工具です。 ほんのわずかな深さを一定に削ることで、紙がぴったりと収まるように仕上げられます。
■ 普通の鉋ではできない仕事
「この鉋はその作業にしか使わないですね」と佐藤さん。 まさに障子建具職人特有の鉋であり、日々の手仕事の中で欠かせない存在です。 細部の仕上げに欠かせない一本なんです。
■ 一枚の障子に込められた手仕事
「毎日心を込めて障子を作っています」 そんな佐藤さんの言葉からは、効率よりも“美しさと丁寧さ”を重んじる職人の誇りが伝わってきます。
■最後に
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建具を作る現場では、用途に合わせた道具を正しく使い分けることが欠かせません。 今回は建具職人が実際に日常で使用している 20種類の道具 をまとめて紹介します。 普段なかなか目にしない専門的な道具から、身近な工具まで、どれも欠かせないものばかりです。 1. 毛布 作業台の上に敷き、材料を傷つけないように保護する必需品。最初に必ず敷いてから作業を始めます。 2. 作業台(専用の台) 墨付けや加工時にちょうど良い高さになるよう、自分専用で製作したもの。材料を置く際に欠かせません。 3. 物差し(差し金) 1mの物差しと、3尺(約90cm)の物差しを使い分けています。大きな建具は2m近くあるため、主に長いものを使用。 4. ハタ金(締め具) 材料を束ねて固定し、墨付けする際に便利。建具づくりでは使いやすいサイズを愛用しています。 5. スコヤ(直角定規) 角度を測ったり90°を出すための必須工具。バタと併用し、正確な墨付けに役立ちます。...