建具職人が障子の表と裏の見分け方を詳しく解説しています!

「障子って表と裏があるの?」と疑問に思ったことはありませんか。
実は障子にははっきりとした「表」と「裏」が存在し、見た目や仕上がりの美しさ、貼りやすさに関わってきます。今回は建具職人が実際に解説してくれたポイントを整理してご紹介します。

1. 骨組みの凹凸で見分ける

障子の「表」は、必ず骨と骨の間に**段差(凹凸)**があります。
一方、裏側はフラットになっており、段差がないため紙を貼りやすい構造になっています。
▶ 段差がある面=表、フラットな面=裏 と覚えると簡単です。

2. 引手(取っ手)の有無

障子の取り付け場所によっては、裏側にも引手が付くことがあります。
たとえば、部屋側と廊下側の両方から開け閉めする必要がある場合です。
一方で、窓の内側に付ける障子など、片側しか見えない場合は正面だけに引手が付いています。

3. 紙を貼る位置

裏面には「紙じゃくり」と呼ばれる1〜2mmほど掘り下げられた溝があります。
ここに障子紙を貼るため、必ず紙は裏側から貼ることになります。
表には段差があるため紙を貼ることはできません。

4. 障子紙の表と裏

障子紙にも実は「表」と「裏」があります。
一般的な障子紙:表がザラザラ、裏がツルツル
強化障子紙(タフトップなど):表裏の区別がほぼなく、どちらも同じ質感
貼る際は紙のロールの巻き方向にも注意が必要です。
ロールの外側が障子紙の表側になるので、そのままの向きで貼るのが正しい方法です。
逆にすると貼りにくく、仕上がりも不自然になってしまいます。

5. 桟(さん)の幅の違い

天袋や地袋の障子では、表と裏で桟の幅が異なることもあります。
表側は見た目が美しく見えるように広めに、裏側はやや狭めになっている場合が多いです。
これは障子を仕込んだときに前後のバランスをとり、全体のデザインを整えるための工夫。
もし逆に取り付けてしまうと、隙間が不自然になり「かっこ悪い」仕上がりになるので要注意です

■ まとめ

障子の表と裏を見分けるポイントは以下の通りです。
・ 段差がある方が表、フラットな方が裏
・ 引手は取り付け方によって表裏両方につく場合もある
・ 障子紙は裏面の「紙じゃくり」に貼る
・ 紙の表裏はザラザラ(表)とツルツル(裏)で区別、ロールの外側が表
・ 桟の幅の違いで見分けられる場合もある
障子の表裏を正しく理解すれば、仕上がりの美しさや貼りやすさがぐっと向上します。

■最後に

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