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日本の伝統建具であり、今なお多くの住まいや店舗で選ばれ続ける「雪見障子」。 今回は、障子のプロ集団・障子.comが、雪見障子の魅力から選び方、お手入れ方法までをわかりやすく解説します。
■ 雪見障子とは?
雪見障子は、下部にガラス窓をはめ込み、障子を閉めたまま外の景色や庭を楽しめる建具です。 その名の通り、室内にいながら“雪景色を見るため”に生まれた、日本らしい美意識が詰まった障子です。 ・ 上部:障子紙による柔らかい光 ・ 下部:ガラスによる明るさと景観性 和室はもちろん、現代のモダンインテリアにも美しく馴染みます。
■ 雪見障子と猫間障子の違い
よく混同されがちですが、構造が異なります。 ・ 雪見障子:ガラス窓が固定されている ・ 猫間障子:小窓が上下や左右に動く可動式 注文や修理の際は、この“ガラス部分が動くかどうか”がとても重要です。
■ どんな空間に向いている?
雪見障子は、意外にも幅広い空間に合います。 ・ 和室 ・ リビング ・ 寝室 ・ テラスや庭が見える部屋 ・ モダンな洋室 秋田杉などの上質な木材で仕上げれば、和洋ミックスの空間でも違和感なく溶け込みます。
■ 雪見障子のリメイク術
デザイン性を高めたり、扱いやすくするアレンジも人気です。 ・ 障子紙を北欧風や和モダン柄の布に貼り替える ・ 下部ガラス以外をプラスチック板に変更 ・ 汚れに強い素材への張り替え 小さな子どもやペットがいるご家庭でも安心して使えるリメイクです。
■ 長く美しく使うためのお手入れ
雪見障子は、日々のちょっとしたケアで寿命が大きく変わります。 ・ 月1回のほこり払い ・ 冬場の結露対策 ・ 換気で湿気を逃がす ・ カビ・シミが出たら早めの交換 数年に一度の障子紙の張り替えが、美しさを保つ目安です。
■ こんなトラブルの相談が多い
雪見障子は構造が複雑なため、以下のような不具合が起こることがあります。 ・ 動きが悪い ・ 外れにくい ・ 木の膨張で建て付けが変わる ・ 枠が歪んでいる 梅雨や冬の湿気で木材がふくらむことが原因の場合も。 無理に外そうとすると破損の危険があるため、心配なときは専門家に相談するのが安心です。
■ DIYと職人依頼、どちらがおすすめ?
雪見障子は「ガラス」と「障子紙」を組み合わせた構造のため、一般の障子より扱いが難しめ。 ・ 簡単な張り替えや軽いリメイク → DIYも可能 ・ 建て付け修理や新調 → 職人依頼が安全 特に幅・高さがミリ単位で変わるため、オーダー製作はプロの技が生きる分野です。
雪見障子を新調する場合は1枚あたり3〜4万円前後が目安です。 障子紙の張替えを業者に依頼する場合だと、3,000〜5,000円が目安。 雪見障子のように複雑な構造の場合、追加費用が発生することも。
■ 障子.comの雪見障子づくり
障子.comでは、良質な秋田杉を使用し、熟練の職人が1枚ずつ丁寧に製作。 建具はわずか1mm単位で使い心地が変わるため、採寸から仕上げまで一切妥協せず行っています。 ・ ミリ単位のオーダー ・ 伝統技法 × 現代の暮らしに合うデザイン ・ 全国の工務店・個人宅へ発送 お部屋にぴったりの雪見障子を作りたい方は、お気軽にご相談ください。
■ まとめ:雪見障子は“景色と光”を取り込む伝統建具
雪見障子は、見た目の美しさだけでなく、暮らしを柔らかく照らし、季節の情緒を感じさせてくれる建具です。 ・ 景色を楽しめる ・ 光が柔らかく入る ・ 和室にも洋室にも合う ・ 長持ちさせるコツは“湿気管理と定期清掃” お部屋の雰囲気をワンランク上げたい方には、特におすすめの建具です。
障子の張り替えや交換、いつ・どうやって行うべきか迷う方は多いと思います。 今回は、創業110年以上の建具店が運営する「障子.com」の建具職人が、交換のタイミングや方法、費用の目安までわかりやすくまとめます。 ■ 障子交換のタイミング|3つのサイン ① 障子紙が黄ばんできた 紫外線による経年劣化が原因。 交換目安は3〜5年。 放置すると部屋全体が古く見えてしまいます。 ② 開け閉めが重い・歪みが出てきた 湿気や建物の歪みで障子が傾くことがあります。 無理に動かすとさらに悪化するため、交換を検討しましょう。 ③ リフォーム・模様替えのタイミング 壁紙や床材を変えるなら、障子も一緒に新調すると統一感が出ます。 ■ 障子交換の方法と費用目安 ① 障子枠ごと新調する...
日本の伝統建具、障子の美しさを支える「骨組み(生枠)」について解説します。 空間の印象や耐久性に直結する重要な部分なので、選び方や種類を知っておくとDIYやリメイクにも役立ちます。 ■ 障子枠の基本構造と寸法 障子の生枠には「見付(幅)」と「見込み(奥行き)」という寸法があります。 ・ 見付け:正面から見える幅。細めはスタイリッシュに、太めは重厚感に。 ・ 見込み:枠の奥行き。薄いと軽快な印象、深いと安定感が出ます。 この2つのバランスで部屋全体の印象が大きく変わります。 1枚の板が、ここから何本もの骨へと姿を変えていく——障子づくりの最初の重要工程です。 ■ 障子枠を構成する6つの部位 生枠は以下の部位で成り立っています。 ① 上桟(かみざん):最上部で軽量かつ強度が必要。 ② 下桟(しもざん):力がかかる部分で幅広に設計。 ③ 框(かまち):左右の縦枠。持ち運びや使用時の負荷を支える。 ④ 中桟(なかざん):補強やデザインの役割。 ⑤ 組子(くみこ):装飾的な骨組み。和の繊細さや重厚感を演出。 ⑥ 腰板(こしいた):耐久性と装飾性を兼ねた下部の板。 それぞれの部位が、障子の美しさと機能性を支えています。 ■ 障子枠の製造工程...
■ はじめに:和の建具と障子.comの想い 障子.comでは、世界に誇る日本文化である建具職人の技と心を守り伝え継ぎ、和の心と調和を大切にすることで心安らぐひとときをつくるため、障子や建具に関する有益な情報を発信しています。 今回は「障子のサイズ」にスポットを当て、障子リメイクに欠かせない枠と紙のサイズについて解説します。サイズのわずかな誤差が仕上がりを不安定にしたり、作業の妨げになることもあるため、正確な測定と適切な障子紙の選定がとても重要です。 まずは関連動画を紹介し、その後に動画内で伝えきれなかったポイントや、よくある質問への回答も含めて詳しく解説します。 ■ 動画解説:障子DIYで知っておきたい枠と紙のサイズ 今回ご紹介する動画「障子リメイクするなら枠と紙のサイズについて知らないといけません【障子 DIY】」では、障子をDIYで張り替える際に知っておくべき枠の測り方や紙選びのポイントについて、職人である私が実演を交えながら説明しています。 動画では、障子枠を正しく測定するコツ(枠の内側寸法を測り、のりしろ分を足す方法)や、代表的な障子紙の種類(一枚貼り・美濃判・半紙判)の違いなどを中心に解説しました。まずはぜひ動画をご覧いただき、イメージをつかんでみてください。 いかがでしたでしょうか?動画内では触れきれなかった細かな点や、DIY時によく出る疑問点について、この後の記事部分で補足していきます。 障子のサイズに関する総合ガイドとして、採寸方法から紙の種類、さらにはトラブルへの対処法まで網羅していますので、ぜひ参考にしてください。 ■ 障子サイズの基礎知識:伝統的な寸法と現代の規格 障子の寸法は何によって決まるのでしょうか? 実は、障子のサイズは日本建築の伝統的な基準である「畳(たたみ)」や「間(けん)」の寸法と深く関係しています。 日本の住宅では柱と柱の間隔(=一間:約1,818mm)が基準となり、それに合わせて障子の幅や枚数が決められてきました。例えば、部屋の幅が1間(約180cm)なら障子2枚、2間幅なら4枚という具合に、空間の大きさに応じて障子の枚数・サイズが設計されてきたのです。 これは畳のサイズにも由来しており、関東で一般的な江戸間(約176cm×87cm)の畳を2枚並べるとほぼ1間幅になることから、障子1枚の標準幅が約90cm、高さ約180cm前後に定められました。 時代とともに日本人の体格が向上したため、背の高い方向けに障子の丈も見直され、高さ2mを超えるようなタイプも登場しています。 こうした伝統寸法に基づき、現在流通している障子枠のサイズ規格も大きく分けていくつかの種類があります。代表的なものを以下にまとめます。 • 基本サイズ(大障子):幅約900mm×高さ約1,800mm前後。もっとも標準的で一般的な和室によく使われるサイズです。障子2枚でちょうど1間(約180cm)幅を覆うため、多くの住宅で採用されています。...