2025.08.04
【プロの技】障子職人が教える障子はがし完全実践版!
障子の張りを替える際に最初のステップとなる「古い障子紙のはがし方」。実はこの作業の丁寧さが、新しい障子紙を美しく貼るための大切なポイントになります。今回はプロの職人が実際に行っている「障子紙のはがし方」を、わかりやすくご紹介します。 ■用意するもの ・水を入れた容器(バケツなどでもOK)・ 布切れ(吸水しやすいもの)・サンドペーパー(240番程度)・ ダンボール(床の養生用)布に水を含ませて骨の部分に塗っていくやり方が、一番効率的で無駄がありません。 ■水のつけ方と注意点 ・ 障子全体にシャワーのように水をかける方法もありますが、乾燥に時間がかかってしまいます。・ 職人おすすめは「布切れで骨の部分だけを濡らす」方法です。・スプレーで吹きかける方法もありますが、水が周囲に飛び散りやすく、壁を濡らすリスクもあるため非推奨です。 →ポイントは「余分な部分は濡らさず、骨の部分にだけ水を行き渡せる」ことです。 ■はがしのタイミング 全体に水を塗ったら、5分ほど置き紙に水分をなじませます。その後、ゆっくりと少しずつ剥がしていきます。・急いで一気に剥がせると紙が破ける原因に。・ 部分ごとに少しずつ進んできれいに剥がせます。 ■紙の残りやささくれ対策 ・ 剥がしたあとに残った紙は、ヘラを使わず「柔らかい毛先のブラシ」でしっかりのが安全です。・ 乾燥させた後にサンドペーパー(240番)で軽く整えるとベスト。・ このとき、向かわせず「一方向にかける」のがコツ。→ やりすぎると骨を傷めるので「軽い」が鉄則です。 ■乾燥の仕方 ・ 夏の日差しのいつかなら、日の風通しの良い場所で30分ほど乾燥。・ 太陽光に直接当たると木が傷むので注意。・ シャワーで全体を濡らすと乾燥に時間がかかるため、部分的に濡らす方法が効率的です。 ■まとめ ・ 水は「布切れ」で骨部分だけ塗る・ 5分ほど置いてから、ゆっくりと剥がす・ 紙の残りはブラシで、ささくれは乾燥後にペーパーで処理・乾燥は日陰で風通しの良い場所を選ぶこれで新しい障子紙を貼る準備が整います! ■最後に職人のこだわりが詰まった障子.comの障子に興味を持っていただけた方は、ぜひサイトでご自分にぴったりの障子を探してみてくださいね!
2025.08.04
プロ職人がダイソーの障子紙で障子を補修した結果が凄かったです!
障子にうっかり穴があった…そんなときの応急処置に備えたのが、100円ショップで売っている補修シールや障子紙。今回は、実際に職人さんに「ダイソーの障子紙」を使って補修してもらい、その仕上がりを検証してみました! ■まずは補修シールで応急処置 ダイズで購入した障子補修用のシールを使って、穴をふさいでみました。・ 裏面がシールになっているので貼るだけで簡単・ ただし、光に遭遇するとどうしても透けて穴の跡がわかってしまう・ 1か所だけ貼ると見た目が不自然。 貼るなら複数か所に貼ったほうが目立ちにくい▶ 応急処置としては便利ですが、結果の自然さは劣悪でした。 ■部分的な貼り替えに挑戦 次に、ダイソーの障子紙を使って「部分的な貼り替え」を実践します。 ①穴の部分を切り取る 大胆な箇所をカッターでカットします。内側に刃を入れて古い紙が残らず、仕上がりがきれいになります。 ②寸法を測る 骨の外側から外側までの寸法を測り、その寸法に合わせて新しい紙をカットします。今回の例では「横210mm × 縦195mm」で切り出しました。 ③のりを使って貼り付ける ・ 専用の障子用のりを使う(学校用のりやヤマトペーストでも代用可)・障子紙は「ザラザラした面が表」になるようにセット・最初の位置を決めたら、引っ張りながら少しずつ貼ります・貼った直後はシワがあっても、乾くと紙が伸びてピンと張る▶両面テープでも貼れるが、伸び縮みしないためおすすめできないとのこと。 ■仕上がりは? 正面から見た印象は、かなり自然で違和感なし。ただし、職人の意見としては——・応急処置としては十分・しかし、やはり「全体を貼り替えたほうが断然きれい」とのことでした。 ■まとめ ・補修シール → すぐに穴をふさげるが透け感がある・部分貼り替え → 仕上がりはかなりだが手間はかかる・おすすめは全面貼り替え → 時間はかかるが見た目は最も美しい今後の対応には100均アイテムが便利ですが、時間があればやはり全面貼り替えをするのがベストです。 ■最後に また、職人のこだわりが詰まった障子.comの障子に興味を持っていただけた方は、ぜひサイトでご自分にぴったりの障子を探してみてくださいね!
2025.08.04
【保存版】建具職人のスコヤの使い方5選
建具や木工をするときに欠かせないのが「スコヤ」です。スコヤは直角を正確に出すための道具ですが、実際にはそれ以上の用途があります。今回は、現役の建築職人が実際の現場で使っている便利な活用法を5つご紹介します。 ①正確に穴位置を書き記す 例えば2枚の材料を組み合わせてビスで固定するとき、思考から均等な位置にビスを打ちたいシーンがあります。普通の差し金を使うと、左右から測って印をつけるのが意外と面倒でかなりも出やすいです。しかしスコヤには目盛りが刻まれているため、緊張の半分をすぐに切れます。▶これにより、左右対称かつ正確なビス位置を簡単に決めることができます。 ②材料の直角を確認する 木材を組み立てたとき、きちんと直角が出てくるのを確認するのにもスコヤが活躍します。角に受けるだけで、直角が正しく出るかをすぐに判断できます。建具づくりの精度を高める重要なチェックポイントです。 ③口切りの直角を測る 木材を組み立てたとき、きちんと直角が出てくるのを確認するのにもスコヤが活躍します。角に受けるだけで、直角が正しく出るかをすぐに判断できます。建具づくりの精度を高める重要なチェックポイントです。 ④直角の線を示す 材料に印をつける際、差し金で点を大事な線を考慮する方法では、わずかなズレが積み重なり精度が落ちてしまいます。スコヤを使えば、材料の端から一気に直角の線を抜くことができ、長さがある場合でも正確な直線を保証します。▶特に建具や家具づくりでは必須のテクニックです。 ⑤複数の素材を揃える バラバラの木材を一気に端を揃えたいときもスコヤは便利です。材料の下端にスコヤをとりあえずだけで、まとめてきれいに直角を揃えることができます。斜めに合わせてしまうと精度が落ちてしまうので、必ずスコヤを基準にするのがコツです。 ■スコヤが正しいかどうかを確認する方法 いくら便利でも、スコヤ自体が正確と言う意味がありません。簡単に確認する方法がございます。1. スコヤを使って材料に直線を引く 2. その材料を裏返し、反対側から同じように線を認識3. 2本の線がずれていても、スコヤは正確な直角を保っていますズレがある場合は、精度が落ちている証拠があれば。 摩耗や変形があるため、買い替えを検討したほうが良いでしょう。 ■まとめ 今回紹介した5つの使い方は、建具づくり木工に欠かせない基本やテクニックです。・ビス位置の正確な割り出し・素材の直角確認・切り口の直角測定・精度の高い直角線引き・複数の材料の端揃えスコヤは「ただの直角定規」ではなく、木工の精度と効率を高める万能ツールです。長く使ううちに精度が落ちることもありますので、購入の際は信頼できるメーカーのものを選ぶのがおすすめです。 ■最後に 職人のこだわりが詰まった障子.comの障子に興味を持っていただけた方は、ぜひサイトでご自分にぴったりの障子を探してみてくださいね!
2025.08.04
建具職人が障子の表と裏の見分け方を詳しく解説しています!
「障子って表と裏があるの?」と疑問に思ったことはありませんか。 実は障子にははっきりとした「表」と「裏」が存在し、見た目や仕上がりの美しさ、貼りやすさに関わってきます。今回は建具職人が実際に解説してくれたポイントを整理してご紹介します。 1. 骨組みの凹凸で見分ける 障子の「表」は、必ず骨と骨の間に**段差(凹凸)**があります。 一方、裏側はフラットになっており、段差がないため紙を貼りやすい構造になっています。▶ 段差がある面=表、フラットな面=裏 と覚えると簡単です。 2. 引手(取っ手)の有無 障子の取り付け場所によっては、裏側にも引手が付くことがあります。 たとえば、部屋側と廊下側の両方から開け閉めする必要がある場合です。 一方で、窓の内側に付ける障子など、片側しか見えない場合は正面だけに引手が付いています。 3. 紙を貼る位置 裏面には「紙じゃくり」と呼ばれる1〜2mmほど掘り下げられた溝があります。 ここに障子紙を貼るため、必ず紙は裏側から貼ることになります。 表には段差があるため紙を貼ることはできません。 4. 障子紙の表と裏 障子紙にも実は「表」と「裏」があります。 一般的な障子紙:表がザラザラ、裏がツルツル 強化障子紙(タフトップなど):表裏の区別がほぼなく、どちらも同じ質感 貼る際は紙のロールの巻き方向にも注意が必要です。 ロールの外側が障子紙の表側になるので、そのままの向きで貼るのが正しい方法です。 逆にすると貼りにくく、仕上がりも不自然になってしまいます。 5. 桟(さん)の幅の違い 天袋や地袋の障子では、表と裏で桟の幅が異なることもあります。 表側は見た目が美しく見えるように広めに、裏側はやや狭めになっている場合が多いです。 これは障子を仕込んだときに前後のバランスをとり、全体のデザインを整えるための工夫。 もし逆に取り付けてしまうと、隙間が不自然になり「かっこ悪い」仕上がりになるので要注意です ■ まとめ 障子の表と裏を見分けるポイントは以下の通りです。 ・ 段差がある方が表、フラットな方が裏 ・ 引手は取り付け方によって表裏両方につく場合もある ・ 障子紙は裏面の「紙じゃくり」に貼る ・ 紙の表裏はザラザラ(表)とツルツル(裏)で区別、ロールの外側が表 ・ 桟の幅の違いで見分けられる場合もある 障子の表裏を正しく理解すれば、仕上がりの美しさや貼りやすさがぐっと向上します。 ■最後に 職人のこだわりが詰まった障子.comの障子に興味を持っていただけた方は、ぜひサイトでご自分にぴったりの障子を探してみてくださいね!
2025.08.01
【保存版】障子を一番綺麗に剥ぎ取る方法を教えます!【障子張り替え】
視聴者の方から 「古い障子を剥がすとき、のり紙や残り当面のが大変で、カッターなどで削ると木の部分まで傷ついてしまいます。何かうまい方法はありませんか?」 という質問が届きました。その質問に建具職人・佐藤さんがお答えします。 ■ポイント①:濡らし方 障子をきれいに剥がすには、大きく2つのポイントがあります。 1.濡らし方 2.道具の使い方 まず、濡らす際に使う道具ですが、 たっぷりの水水をよく吸う清潔な布 をご用意しております。 作業の際には、下に段ボールなどを敷いて床が濡れず安心です。 とにかく、障子紙をびちゃびちゃになるくらいたっぷり濡らすのがコツです。 特に、障子の骨の部分(のがついている部分)には、重点的に水を含ませるようにしてください。 ■ポイント②:時間とタイミング 水をたっぷりかけたら、5分ほど置いてから剥がすと、きれいに取れるようになります。 実際にやってみると、「齋藤勇治建具店」で採用している強い障子紙(タフトップ)を使っていれば、破れずにきれいに剥がれます。紙の残りものもほとんどありません。 ■100均の障子紙との比較 次に、100円ショップの安価な障子紙で試してみたところ、濡らしただけで破れてしまい、きれいに剥がすのはかなり難しいという結果になりました。 薄くて弱いため、力を入れなくてもすぐに穴が開いてしまいます。このような紙では、剥がす作業にかなり苦労することになります。 ■水のかけ方について 全体に霧吹きで水をかける方法もありますが、のりの部分だけに水をしっかりつける方が効率的で失敗も少ないです。 タフトップのように丈夫な紙なら全体に濡らしても問題ありませんが、薄い紙だと破けてしまいます。 ■道具の工夫:カッターではなくサンドペーパー 紙を剥がした後、どうしても残る古い紙やのりを取るのに、カッターで削るのは木を傷つける原因になります。 そこでおすすめするのが、 角材にサンドペーパー(#240)を巻き付けた自作道具です。 障子をしっかり乾燥させた後、この道具で平らにこすることで、カッターよりも安全かつきれいに残りカスを除去できます。 ■ポイント③:乾燥が重要 剥がした後は、しっかり乾燥させることが重要です。濡れたまま新しい紙を貼ると、のりが効かず、きれいに仕上がりません。 最低でも丸1日は乾燥させてから、次の作業に移りましょう。 ■まとめ きれいに障子紙を剥がす手順: 1.布でたっぷりの水を接着部分につける 2.5分程度待つ 3.障子紙をゆっくり剥がす 4.濡れた障子本体を1日乾燥させる 5.サンドペーパー工具で残り紙を取る ■最後に タフトップのように丈夫な障子紙を使うと、剥がすのも貼るのも簡単で仕上がりもきれいになります。100均の紙は安価ですが、薄くて破れやすく、扱いが難しいので注意が必要です。 「齋藤勇治建具店」で制作する障子は全て「タフトップ」を採用しています! 「齋藤勇治建具店」で制作する障子は全て「タフトップ」を採用しています! 興味を持っていただけた方は、ぜひ障子.comでご自分にぴったりの障子を探してみてくださいね!
2025.02.04
【建具 かんな】現役建具職人が障子づくり用の鉋について全部話します!
障子や木工製品の仕上げに欠かせない「カンナ」。今回は、建具職人・佐藤さんに、カンナの種類や使い分け、調整の仕方、さらには実際の削り方まで詳しく解説していただきました。 ■そもそも「カンナ」とは? カンナ(鉋)とは、木材の表面を削って滑らかに整えるための道具。大工さんは粗削りから仕上げまで幅広く使いますが、建具職人の世界では主に「仕上げ」や「微調整」に使用されます。 例えば、障子の部品同士の組み立て後の微妙な段差を整えたり、見た目を美しくするために使われるのがカンナです。 ■主なカンナの種類と使い分け 佐藤さんが普段使っているのは、主に以下の3種類のカンナです。 ①平鉋(ひらがんな) ・表面全体を平らに削るための基本のカンナ ・角を少し丸めたり、面取りをしたりするのにも使用 ・大・中・小サイズあり、用途に応じて使い分け 【平鉋(ひらかんな) 替え刃式鉋・替え刃】http://shop-kawai.g.dgdg.jp/kaebakanna_hanbai.html ②際鉋(きわがんな) ・刃が端までついていて、角や細かい部分の削りに最適 ・「右勝手」と「左勝手」があり、削る方向によって使い分け ・障子の「ほぞ」部分など、通常のカンナでは届かない場所にも対応 【際鉋(きわかんな)】http://www.iwood.jp/iwood/image/2012-d/18.jpg ③紙貼鉋(かみはりがんな) ・障子紙を貼る部分(紙じゃくり)専用のカンナ ・紙一枚分だけ削れるように、刃の幅も非常に狭い障子専用のカンナ ・2回ほど軽くかければ、紙の厚みにぴったり合う 【紙貼鉋(かみはりかんな)】https://store.shopping.yahoo.co.jp/jindaikohonpo/kakusyu-kanna-069.html?sc_i=shopping-pc-web-result-storesch-rsltlst-imghttps://store.shopping.yahoo.co.jp/jindaikohonpo/kakusyu-kanna-069.html?sc_i=shopping-pc-web-result-storesch-rsltlst-img ■カンナの構造と調整方法 どのカンナも基本的な構造は共通で、「刃(神刃)」と「裏金(押さえ刃)」の2枚構成です。 鉋身(かんなみ): 実際に木材を削る主刃 裏金: 鉋身をしっかり押さえる補助刃 調整は刃の出具合で行い、叩きながら微調整していきます。刃を出しすぎると厚く削れ、引っ込めると薄くなります。 近年では、刃を取り替えられる交換式のカンナも登場し、一般の方でも手軽に使えるようになりました。切れ味も良く、手入れが苦手な方にもおすすめです。 ■実演!職人のカンナ削り 佐藤さんに、実際にカンナで木材を削る様子を見せていただきました。 ①平鉋(ひらがんな)の削り方 ・面をなだらかに整える用途に使用 ・少し斜めに当てて引いていくのがコツ ・力加減を一定に保つことで美しく削れる ②際鉋(きわがんな)の削り方 ・刃が端まであるので、隅まできれいに削れる ・障子の角や細部、ホゾの面取りなどに使用 ③紙貼鉋(かみはりがんな)の削り方 ・障子紙の貼り部分(紙じゃくり)削る。2回削ると紙1枚分の深さになるように調整されている。 ※障子は、紙じゃくりに障子紙を貼ると障子本体と紙の表面が平らになる作りになっている ・他のカンナでは不可能な繊細な加工が可能。 ■ まとめ:カンナは職人の“手の延長” カンナは、見た目以上に繊細で調整が難しい道具です。しかし、その分、職人の技術がダイレクトに表れる道具でもあります。 障子を一枚仕上げるだけでも、こうした多彩な道具と技術が使われていることを知ると、ものづくりへの敬意が生まれますね。 ■ 最後に この動画が参考になった方は、ぜひ「いいね」と「チャンネル登録」をお願いします!また、興味を持っていただけた方は、ぜひ障子.comのサイトをご覧ください。
2025.02.04
【検証】プロ用と100均の障子紙を比較した結果が意外なことに・・・【障子張り替え】
齋藤勇治建具店で使用されている高品質な障子紙「タフトップ」。その“強さ”は本物なのか…? 今回は、なんと100円ショップで購入した障子紙と徹底比較!「強度」「引き裂き」「引っ張り」「耐水性」の4項目で、プロ用と100均商品の実力を検証してみました。 ■ 第1番勝負:突き刺しテスト 実験方法: それぞれの障子紙に30cmの高さから鉛筆を落とし、穴が開くかを確認。 ◆100均の障子紙: 一発で穴が開く ◆タフトップ: 弾力で鉛筆を弾き返し、穴はまったく開かない さらに強度を確かめるため、鉄製のインパクトドライバービット(かなり重い)でも同様のテストを実施。◆100均: 完全に突き刺さって貫通◆タフトップ: 少し凹んだ程度で、穴は開かず ▶ タフトップの圧勝! ■ 第2番勝負:引き裂きテスト 今度は、それぞれの紙を手で引き裂いてみるテスト。◆タフトップ: 力を込めてもなかなか破けない◆100均: 簡単にビリビリっと裂ける ▶ またしてもタフトップの勝利! ■ 第3番勝負:引っ張りテスト 2人がかりで、障子紙の両端を持って引っ張り合うテスト。◆100均: 手元からすぐに破けてしまい、力を入れられない◆タフトップ: 全力で引っ張っても破けず、耐久性抜群! ▶ タフトップ、3連勝! ■ 第4番勝負:水攻めテスト 霧吹きで障子紙に水を3回吹きかけ、その状態で指で突いて穴が開くかを確認。◆100均: 指で簡単に穴が開き、ほとんど力はいらない。子どもでも簡単に破れそうなレベル◆タフトップ: 指で押しても全く破れず、濡れても形を保ったまま ▶ 最後もタフトップの圧勝! ■ 結論:本当に強いのはタフトップだった! 最初は疑ってかかっていた検証者も、実験の結果には納得。タフトップは、引っ張り・衝撃・水にも強く、日常使いでも安心して使える障子紙であることが証明されました。 「障子の貼り替えって面倒くさい」と感じている方も、丈夫な障子紙を選べば破れる頻度が減り、手間もグッと減ります! ■ 最後に この動画が参考になった方は、ぜひ「いいね」と「チャンネル登録」をお願いします! 障子紙の選び方一つで、和室の快適さが大きく変わります。ぜひ、貼り替えの際には“強い紙”を選んでみてください。
2025.02.04
障子の構造とは?縦框・横框など各部位の名称と伝統の工夫を解説
■ はじめに:障子.comの想いと本記事の概要 障子.comでは、世界に誇る日本文化である建具職人の技と心を守り伝え継ぎ、和の心と調和を大切にしながら心安らぐひとときを創出することを目指しています。障子や和室の建具に関する様々な情報を、プロの建具職人の視点から分かりやすく発信しています。 こちらでは「障子の構造」に焦点を当て、関連する解説動画と補足記事をお届けします。まずは動画「【保存版】障子紙の基本の張り替え方|初心者でも安心の道具と準備を詳しく解説!」で、障子の構造や各部位の名称について当社の会長(熟練の建具職人)が解説しています。その中で、「縦框(たてがまち)」「横框(よこがまち)」「戸首(とくび)」といった普段なかなか聞くことのない専門用語も丁寧に説明いたしました。障子に少しでも関心のある方や、初心者の方にも安心して理解いただける内容になっています。 動画をご覧いただいた後、本記事では動画内で紹介しきれなかったポイントや、よくある質問についてさらに詳しく解説します。「障子の構造ってどうなっているの?」「部材の名前や役割を知りたい」という疑問に職人の視点でお答えしていきます。ぜひ最後までお読みいただき、ご自身の和室づくりや障子の張り替え・リフォームの参考にしてみてください。 ■ 障子の基本構造と各部位の名称 まず、障子の基本的な構造について押さえておきましょう。障子は木製の枠組みと、その中に組み込まれた格子状の骨組みから成る建具です。大まかに分けると、外周の枠を形作る「框(かまち)」と内部を格子状に支える「組子(くみこ)」という部材に分類できます。 • 縦框(たてがまち) – 障子の左右の端に位置する縦方向の枠材です。建具全体の強度を支える重要な柱部分にあたります。一般に「竪桟(たてざん)」とも呼ばれ、これら縦框が左右の辺となって障子の外枠を形成します。 • 横框(よこがまち) – 障子の上下端に位置する横方向の枠材で、上桟(うわざん)・下桟(したざん)とも呼ばれます。上桟は障子最上部の横木、下桟は最下部の横木で、下桟の方が強度確保のため厚みが大きく作られるのが一般的です。障子によっては中央付近に中桟(なかざん)と呼ばれる横木を一本設ける場合もあります(中桟のないシンプルな障子も多く存在します)。 • 障子骨(しょうじぼね)=組子(くみこ) – 障子の枠内部に縦横方向に組み込まれた細い桟のことを指します。一般には組子と呼ばれ、障子の特徴的な格子模様を形成する部分です。それぞれ縦方向の組子を縦子(たてこ)、横方向の組子を横子(よここ)とも呼びます。組子の本数や配置によって障子のデザインや印象が大きく変わります。 以上のように、障子は縦框・横框からなる枠と、その中に細かな組子を組み込んだ構造になっています。枠の四隅や組子同士は精巧な仕口(しくち)で組み上げられ、紙を貼った際にしっかりとした一枚の建具となるよう設計されています。 なお、障子の上枠(上桟)の両端には「戸首(とくび)」と呼ばれるL字型の突起部が設けられている場合があります。戸首は障子を上部の鴨居(かもい:天井側の溝)にはめ込むための部分で、引き戸を正しい向きで鴨居に収めることで建具をしっかり立たせ、スムーズに開閉させる役割を果たします。戸首のおかげで、障子を立てたときにがたつきにくく安定し、開け閉めの際にも建具が外れたりしません。専門用語ですが、伝統的な障子の構造を語る上で欠かせない要素です。 ■ 引手(ひきて):障子の取っ手と素材 障子を開け閉めするための取っ手部分は「引手(ひきて)」と呼ばれます。障子紙を貼った面に丸い穴のあいた金物や木製パーツが埋め込まれているのを見たことがあるでしょう。それが引手です。 引手は指を掛けて障子をスライドさせるための部品で、形状や素材も様々な種類があります。一般的な障子では真鍮など金属製の引手や、木製の引手が使われることが多いですが、和の風合いを活かすために竹など自然素材で作られた引手も用いられます。 たとえば今回取り上げた障子では、竹材を使用した「胡麻引手(ごまひきて)」というタイプの引手が採用されていました。胡麻竹という斑点模様のある竹を材料に用いた引手で、素朴で自然な風合いが魅力です。引手ひとつとっても素材の違いで印象が変わり、和室の雰囲気に合わせて選ぶ楽しさがあります。 なお、引手は後付けで交換することも可能なパーツです。経年劣化やデザイン変更の際には、新しい引手に付け替えることで障子の表情を手軽に変えることができます。ただし寸法が合うものを選ぶ必要がありますので、不安な場合は専門業者に相談するとよいでしょう。 ■ 障子構造に見る職人の工夫:紙を美しく貼る「段差」の秘密 一見シンプルに見える障子ですが、その構造には職人の細やかな工夫が随所に凝らされています。例えば、障子の縦框や横框を触ってみると、紙を貼る面が他の面よりわずかに内側へ凹んでいることに気づくかもしれません。この微妙な段差こそが、障子紙を美しく貼るための職人技術のひとつです。 障子紙を貼る面が枠とフラット(同一平面)になっていると、紙を貼った際に枠との境目に違和感が生じたり、紙が僅かに浮いて見えたりすることがあります。そこで、あえて紙を貼る部分(框や組子の表面)を少し内側に引っ込めた設計にすることで、紙を貼ったとき枠との段差がなくなり見た目がすっきり美しく仕上がるのです。 「紙じゃくり」あるいは「付け子(つけこ)」と呼ばれるこの紙貼り代のための溝は、縦框および横桟の内側に設けられています。ここに障子紙の端を糊付けして貼り込むことで、紙と框が滑らかにつながり、綺麗な見栄えを実現できます。 要するに、紙の厚み分だけどこかに逃げ(ゆとり)を作るのが伝統建具の基本というわけです。建具職人は木材同士の組み合わせだけでなく、紙を貼った後のことまで考えて細部を設計しています。この段差の工夫により、貼り替え直後のピンと張った障子紙も違和感なく枠になじみ、障子全体が端正な表情に収まります。 ちなみに、この「逃げ」を設ける工夫は建築全般で重要な考え方です。木材が湿気で膨張することや、紙が伸縮することなど経年変化や調整を見越して、あらかじめ余裕を持たせておくことで、長期間にわたり不具合無く美しさを保てるようにしているのです。先人たちの知恵が詰まった障子の構造には、見えない部分にもこうした配慮が行き渡っています。 ■ 障子の種類とデザインバリエーション:カスタマイズも可能 障子の基本構造は前述の通りですが、そのデザインや種類は多岐にわたり、お客様の要望に合わせてカスタマイズすることも可能です。「縦框・横框と組子で構成された格子戸」と一口に言っても、組子の本数や配置、下部パネルの有無、素材の違いなどによって様々なバリエーションが存在します。ここでは代表的な障子の種類やデザイン例をいくつかご紹介しましょう。 • 荒間障子(あらましょうじ) – 組子の間隔を大きくとった障子です。縦横の組子の本数を基本より減らし、格子が粗めになっているのが特徴です。最もシンプルで一般的な障子の形で、使用する材料も少なくて済むため比較的安価に製作できます。「荒組障子」とも呼ばれ、素朴で開放的な印象を与えます。 • 繁障子(しげしょうじ) – 組子の間隔を狭く、細かく入れた障子の総称です。横方向の組子を増やしたものを横繁障子(よこしげしょうじ)、縦方向の組子を増やしたものを縦繁障子(たてしげしょうじ)と呼びます。横繁障子では横桟が多く入ることで水平のラインが強調され、空間に広がりを感じさせます。一方、縦繁障子では垂直のラインが強調され、高さ方向の伸びやかさを演出します。 伝統的に横繁障子は関東地方で、縦繁障子は関西地方で好まれる傾向があるとも言われます。いずれも組子の細やかな美しさが際立ち、上品で凝った印象になります。 • 腰付障子(こしつきしょうじ) – 腰板(こしいた)と呼ばれる板張りの部分を下部に設けた障子です。障子の下半分ほどを板戸や襖貼りにして補強しており、腰の高さまでの範囲で障子紙を使わない構造になっています。下部を板張りにすることで、家具が当たったり人が蹴ってしまったりしても破れないよう強度を高めているのが特徴です。和室の腰壁のような役割も果たし、重厚感が増すためモダンな和洋折衷空間にも取り入れやすいデザインです。 • 雪見障子(ゆきみしょうじ) – 下部にガラス窓をはめ込んだ障子です。腰板部分に透明ガラスの開口があり、さらにその内側に小障子(組子と紙を貼った小さな障子板)が上下にスライドできるよう組み込まれています。障子を閉めたままでもガラス越しに外の景色(雪景色)を楽しめることから「雪見」の名が付きました。下部の小障子を上げ下げすることで換気も可能で、採光と視界確保を両立した風情あるデザインです。 • デザイン障子・変わり組子 – 従来の規則正しい格子模様にとらわれず、現代的な感性でアレンジした障子も登場しています。たとえば吹き寄せ障子のように、2本一組の組子を間隔ごとにリズミカルに配置したものや、組子を斜め格子や麻の葉模様、市松模様など伝統文様に組んだもの、さらには組子の色を黒や白に塗り分けてモダンなインテリアに調和させたものまで様々です。職人にオーダーすれば、お好みのデザインでオリジナルの障子を製作することも可能です。 このように、障子の構造は基本を押さえつつも多彩なデザイン展開が可能です。「組子の本数を増減して和室をモダンに見せたい」「下部にガラスを入れて採光を確保したい」「伝統的な柄でアクセントを付けたい」等、ご要望に合わせて自由にカスタマイズできます。 実際に障子.comでも、お客様のご希望に応じて組子の配置変更や腰付障子への変更、特殊な引手の取り付けなど柔軟に対応しております。世界に一つだけのオリジナル障子を作ることも夢ではありませんので、気になる方はぜひ一度ご相談ください。 ■ まとめ:障子の構造に宿る知恵と、より良い和空間づくりのために 見た目にはシンプルな障子ですが、その構造には職人の知恵と工夫が隅々まで詰まっていることがお分かりいただけたのではないでしょうか。縦框・横框といった枠組みから、細やかな組子、引手の素材選び、紙を美しく貼るための仕掛けまで、それぞれの部位にちゃんと意味があり、理由があって組み立てられています。 基礎を知って障子を見ると、何気ない和室の障子にも職人の思いが込められていることに気づき、きっと見方が変わってくるはずです。ぜひご自宅や身近な和室の障子にも目を向けて、その作りを観察してみてください。「なるほど、こうなっていたのか」と新たな発見があるかもしれません。 障子.comでは、障子に関するあらゆるご相談やオーダーメイド製作のご依頼を承っております。「障子を新調したいがどの種類が良いか迷っている」「自分で張り替えたいけど上手くできるか不安」「和室をリフォームするのでプロの意見を聞きたい」──そのようなお悩みがございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。 経験豊富な建具職人が、伝統を踏まえつつ現代の暮らしに合った最適なプランをご提案いたします。障子の構造と魅力を知った今、ぜひ私たちと一緒に快適で心和む和空間づくりを実現してみませんか。障子.comが皆様の和の暮らしをサポートいたします。 スタッフ一同、皆様からのご相談・ご依頼を心よりお待ちしております。最後までお読みいただきありがとうございました。ぜひ今回の動画がお役に立ちましたら「いいね👍」やチャンネル登録もよろしくお願いいたします! 和の住まいをより良くする情報を今後も発信してまいります。では、次回もお楽しみに。
2025.02.04
障子の正しい張り替え方【初心者向け】プロが教える道具・手順とサイズ選びのコツ
障子.comでは、世界に誇る日本文化である建具職人の技と心を守り伝え継ぎ、和の心と調和を大切にしながら、心安らぐひとときをつくるために障子や建具に関する情報を発信しています。 ここでは「障子の張り替え方」に関する解説動画と記事をご紹介します。初心者の方でも安心して取り組めるよう、道具選びから張り方のコツまでプロの視点で丁寧に解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。 ■ 動画紹介:プロ職人が教える障子紙の基本の張り替え方 今回私たちは山形県の「齋藤勇治建具店」さんにお邪魔し、プロの障子貼り職人である佐藤さんから障子紙の正しい張り替え方を教えていただきました。 動画では「障子の張り替えって難しそう…」「道具や糊の選び方が分からない…」といった初心者の不安を、丁寧な説明で解消してくれます。誰でもすぐに実践できるよう、道具選びから貼り方のコツまで細かなポイントもすべて網羅!ぜひ動画と合わせて解説記事も参考にしてみてください。 ※この記事の読み方:まず動画内で紹介された内容をまとめ、後半で動画で解説しきれなかった部分やよくある質問について補足します。記事を読めば動画の内容がさらに理解でき、障子張り替えに関する疑問も解決するはずです。最後には障子.comを活用した相談や購入のご案内もあります。 ■ 張り替えに必要な道具と材料 初心者が障子の張替えに挑戦する際は、事前の道具準備が成功のカギです。動画で使用していた道具・材料と選び方のポイントを紹介します。 • 障子用のり(糊) – 必ず障子紙専用の糊を使用します。市販の安価な液体のりやスティックのりで代用すると、乾燥後の接着力が強すぎて紙が剥がしづらくなるなど障子には不向きです。 障子専用糊は澱粉など天然由来成分でできており紙に優しく、水溶性で張り替えもしやすいのが特徴です。 使用時はメーカー説明書どおりに水で希釈しましょう(目安は糊:水=10:1程度)。水が多すぎると接着力が落ち、濃すぎると乾燥時に紙が収縮して桟を強く引っ張りすぎてしまいます。 • 障子紙 – 破れにくいタイプの障子紙を選ぶと作業が格段に安心です。動画では一般的な障子紙より破れにくく扱いやすい「タフトップ」という強化紙を使用しました。 縦に引っ張っても簡単には裂けず、水に濡れても繊維が強いため初心者でも扱いやすい紙です。特に小さなお子さんやペットのいるご家庭では、多少ぶつかったくらいでは破れにくい強化紙がおすすめです。 反対に、極端に薄かったり安価すぎる紙(例:100円ショップの障子紙)は破れやすく扱いが難しいため避けたほうが無難でしょう。 •刷毛(のり刷毛) – 桟にのりを塗るためのハケです。毛が抜けにくくコシのある障子貼り専用の刷毛を用意しましょう。職人は豚毛など高品質な刷毛を使いますが、家庭で一度きりの使用なら市販の安価なものでも構いません。 ポイントは刷毛をトントンと置くように使えること。実際の動画でも、刷毛を叩くようにして均一に薄くのりを塗っていました。 • カッターナイフ – 紙を仕上げにカットするため、新品の刃を用意します。刃先が鋭利でないと紙が綺麗に切れず毛羽立つ原因になります。 またカッターは寝かせ気味の角度で使うと滑らかな切断面になります(立てすぎると切り口がギザギザに荒れます)。 •定規(カット定規) – カッターで切る際に当てる定規です。できれば障子の桟の幅に合った長さの定規があると一気に切れて便利ですが、家庭では手持ちの長めの定規でもかまいません。 透明なアクリル定規(厚さ5mm程度)だと下の桟が見えてラインを合わせやすく、安全に力をかけられます。桟に沿わせて使うため、多少厚みと重さがあるものが安定して切りやすいでしょう。 •その他の道具 – マスキングテープ(またはセロハンテープ):紙を仮止めするのに使います。 のり用トレー:糊を入れて刷毛で使う容器。市販のものや代用品として靴のサイズトレーなど平たい容器でもOKです。スポンジや霧吹き:古い紙を剥がすときに水を含ませて使います(詳しくは後述)。 雑巾:桟の汚れ拭き取りや、のり拭き取り用に数枚用意しましょう。 ▽メモ:障子紙の種類と貼り方について現在、障子紙の貼り方には「糊貼り」のほかにアイロン貼りタイプや両面テープ貼りタイプの商品も市販されています。 アイロン貼りは紙の片面に熱で溶ける樹脂糊が付いたもので、アイロンの熱を当てて接着します。両面テープタイプはあらかじめ桟に専用両面テープを貼り、その粘着で紙を貼る方法です。 いずれも手軽さが魅力ですが、本記事ではオーソドックスな「糊で貼る方法」を中心に解説します(他タイプを使用する場合も基本的な手順自体は似ています)。 ■ 手順:障子紙の張り替え基本ステップ それでは、実際の障子紙の張り替え手順を5つのステップに沿って説明します。初心者の方でも失敗しにくいようポイントを押さえていきましょう。 1. 古い障子紙を剥がす まずは古い障子紙の取り外しから始めます。前の紙が付いたままでは新しい紙を綺麗に貼れないので、ここは丁寧に行いましょう。剥がし方は以前の貼り方によって異なります。以下の方法を参考にしてください。 • 糊で貼ってあった場合(一般的な障子紙):霧吹きや水を含ませたスポンジで、古い紙の上から桟をまんべんなく濡らします[7]。水をかけると糊がふやけて紙が剥がしやすくなります。数分おいてから端からゆっくり紙を剥がしましょう。無理に引っ張らず、糊の部分が充分濡れていることを確認しながら進めると綺麗に取れます。 • アイロン貼りタイプの場合:紙の端にアイロンをあて、糊樹脂を熱で溶かしながらゆっくり剥がします。熱いうちに少しずつはがすと比較的簡単に取れます。 • 両面テープ貼りタイプの場合:紙がビニール系素材で裏にテープ糊が付いた強化障子紙などは、角からそのまま引き剥がすか、必要に応じてドライヤーの温風を当てて粘着を柔らかくしつつ剥がします。プラスチック障子紙はペリッと一気に剥がせることも多いですが、破れにくい分粘着力が強い場合は無理せず、専用剥がし剤を使う方法もあります。 古い紙を剥がしたら、桟に残った糊や紙片を綺麗に除去します。濡らした布やスポンジで桟を擦り、古い糊をふやかしながらヘラ等で丁寧に削り落としてください。 この下地処理を怠ると新しい紙がしっかり付かず、仕上がりにシワや凸凹が出る原因になります。桟全体を拭き終えたら完全に乾燥させましょう。濡れたまま次の工程に進むとのりがうまく付かないので注意してください。 2. 新しい障子紙の位置合わせ(仮止め) 次に、新しい障子紙を障子枠に仮止めして位置を決める作業です。いきなり貼り始めるのではなく、最初に紙の位置決めをすることで「曲がって貼ってしまった」「足りない部分ができた」といった失敗を防げます。 1.障子の桟(さん)全体に新しい紙を重ねてみて、紙を貼る向き・位置を確認します。ロール紙の場合は紙を転がして全体にかぶせ、紙の端が四方の枠から2~3cmずつ余裕を持ってはみ出す位置に調整しましょう。柄物の紙の場合も、図柄が桟に対して違和感なく配置されるかを確認します。 2.紙の位置が決まったら、障子枠の上辺の桟に紙をテープで仮止めします。まず上辺中央あたりを1ヶ所留め、紙が枠に対して平行になっているか確認します。 歪んでいれば貼り直し、真っ直ぐなら上辺の左右端もテープで留めて計3ヶ所固定します。マスキングテープが剥がしやすくおすすめですが、無ければセロテープでも代用可能です。 3.テープで仮固定したら、一度紙を巻き戻すように半分ほど丸めておきます。これからのりを塗るため、紙が邪魔にならないよう枠の外側に丸めて避けておくイメージです。 ※ポイント:紙の寸法と障子サイズ 市販の障子紙には幅や長さにいくつか規格があります。一般的な障子(半間サイズ)なら幅94cm前後のロール紙で足りますが、丈の長い障子向けに幅広・丈長の紙も売られています。張り替え前にお使いの障子のサイズを測っておくと、紙を選ぶ際に迷いません。 障子の高さや桟の数によって必要な紙の長さが異なるため、購入時は「○本分貼れる〇m巻き」といった表示もチェックしましょう。【半間(はんけん)サイズ=一般的な和室窓の障子1枚の大きさ】 もし特殊なサイズの障子や紙の寸法選びに不安がある場合は、当サイトの「障子サイズの測り方ガイド」(内部リンク)も参考にしてください。 3. 桟に糊を塗る それでは障子枠に糊を塗布していきます。ここはスピードよりも均一に塗ることが大切です。 • 糊の準備:障子用のりをトレーに出し、必要に応じて所定の割合で水を加えてよく混ぜます。糊の硬さの目安は「重湯(おもゆ)」くらい、刷毛でスッと塗れる緩さです。練りすぎずダマにならないよう滑らかにしておきましょう。 • 塗り始める位置:仮止めしている上辺から塗り始めます。まず細い桟(縦横に格子状に組まれた部分)のほうを先に塗り、最後に四方の太枠(外枠)を塗る順番がおすすめです。外枠は最後にすることで、塗った後すぐ紙を貼り付ける際に手や服にのりが付くのを防げます。 • 刷毛の使い方:刷毛にはたっぷり糊を含ませず、桟の上を軽く叩くようにトントンと置いて塗っていきます。ゴシゴシと刷毛を引きずると糊ムラやはみ出しが大きくなるため、「点置き」するイメージで細かく叩き塗りしましょう。薄く均一に糊が乗れば十分で、べったり厚塗りは不要です。 • 塗る量と範囲:桟の木部が一面うっすら濡れる程度に糊が行き渡ればOKです。多少はみ出しても乾けば透明になりますので神経質にならなくて大丈夫です。 外枠部分は内側寄りに幅1~2cm程度の帯状に糊を塗ります(外枠全面に塗る必要はありません)。また、一度に全部の桟に糊を塗ろうとせず、上半分から貼って下半分というように少し塗って貼り、また塗って貼り進める方法だと焦らず確実です。初心者の方は特に、欲張らず段階的に作業するほうが失敗しにくいでしょう。 (※もし「速乾性」の障子用接着剤を使う場合は、一気に貼らず2/3ずつ塗って貼るなど工夫してください。通常のんびりやっても糊がすぐ乾いて貼れなくなることはありませんので、落ち着いて作業しましょう。) 4. 新しい障子紙を貼り付ける 糊付けができたら、乾かないうちに障子紙を貼り付けます。先ほど仮止めして巻き戻しておいた紙をゆっくり転がしながら桟の上に乗せていきましょう。 • 貼り始め:最初に固定した上辺から紙を転がして貼ります。紙がたるまないようピンと張りながら、端から順に空気を押し出すように指または手のひらでなぞりつつ貼っていきます。一度に全部を貼ろうとせず、例えば桟の半分くらい糊を塗って貼ったら、残り半分をまた塗って貼る、というようにすると初心者でも落ち着いて作業できます。 • 位置の微調整:貼っている途中で紙が歪んでしまった場合は、糊が乾く前であればそっと紙を持ち上げて貼り直すことも可能です。無理に引っ張りすぎると紙が破れますので、力加減に注意しながら優しく調整してください。強化紙とはいえ過度な力には弱いので丁寧に扱いましょう。 • 貼り終わったら押さえる:全体に紙を乗せ終えたら、桟の格子一つ一つの上から手のひらで軽く押さえて紙を密着させます。桟と紙の間にしっかり糊が行き渡り密着することで、仕上がり後のシワや浮きを防ぎます。特に桟の端部(四隅)は浮きやすいので念入りに押さえましょう。 • 紙の巻きグセ対策:ロール紙の場合、巻いてあったクセで貼った直後に紙が端から少し浮いてくることがあります。動画では手のひらで押さえて対応していましたが、ドライヤーの弱風を少し離して当てると紙が暖まり巻きグセが取れ、貼り付けやすくなる場合もあります。必要に応じて試してみてください。 5. 余分な部分をカット・仕上げ乾燥 貼り付けが完了したら、はみ出している紙をカットして仕上げます。 • カットするラインを決める:まず障子枠の縁に沿って、紙に爪で軽く筋をつけます。こうすることで後でカッターの刃を当てるラインが見やすくなります。特に薄い紙の場合、この一手間で格段に切りやすくなるのでおすすめです。爪の筋がつけにくい場合は、四隅に鉛筆で目印をつけて定規を当てる方法でもOKです。 • 定規を当てて切る:障子枠の木にピッタリ沿わせるように定規を当て、カッターナイフで余分な紙を一気に切り落とします。カッターは必ず切れ味の良い刃先を使用し、途中で引っかかったら刃を折って新しい切れ味で再開しましょう。途中で止めず一気にスーッと切るのが綺麗に仕上げるコツです。焦らずに定規をしっかり押さえ、刃は寝かせ気味で動かすと滑らかに切れます。 • テープの除去:カットが終わったら、先ほど仮止めに使ったテープを静かに剥がします。テープで押さえていた部分の紙も切り離されているはずなので、それらの余分な紙片も全て取り除きましょう。これで新しい障子紙が枠ぴったりのサイズに張られた状態になりました。 最後に、貼った障子紙をしっかり乾燥させます。貼り終えた直後の紙はまだ水分を含んでおり、時間とともに収縮していきます。必ず一晩以上おいて完全に乾燥させてから障子を建て付けましょう。急いで元に戻すと、乾燥収縮する途中で細い桟を引っ張り、枠全体が歪んでしまう恐れがあります。特に貼りたて直後は見えなくても、乾燥するにつれて紙が張ってくるので、ここは焦らず丸一日程度静置するのが無難です。 豆知識:雨の日の作業が実はおすすめ? 実は障子の張り替えは雨の多い時期に行うときれいに仕上がるという話があります。紙は湿気を含むと伸び、乾燥するとピンと張る性質があります。そのため梅雨時など空気中の湿度が高い日に貼ると、乾いたときに一層紙がピンと張ってシワのない状態になりやすいのです。 意外に思われるかもしれませんが、晴天のカラッと乾燥した日よりも、適度に湿度がある環境のほうが仕上がりが良い場合もあります。ただし湿度が高すぎると乾燥に時間がかかるため、作業後は十分に乾燥時間をとってください。 ■ よくある質問と仕上げのコツ 最後に、障子の張り替えに関してよく寄せられる疑問や、プロの現場からのアドバイスをQ&A形式で補足します。 Q1. 貼った後にシワやたるみができたら霧吹きをしてもいいの? A. 小さなシワであれば、乾燥過程で紙が収縮するにつれて自然に伸びて目立たなくなることが多いです。どうしても気になる場合、軽く霧吹きして紙を湿らせると乾燥時にピンと張るためシワ取り効果があります。 ただし霧吹きの多用には注意が必要です。特に強度の高い障子紙は湿らせると紙の張力が非常に強くなり、糊やテープの接着力を上回って紙が剥がれたり、木枠自体を引っ張って桟が反って曲がってしまうことがあります。実際、小さな雪見障子(下部にガラスが入った小窓付き障子)で霧吹きをしたところ、紙の収縮力で枠が反り返ってしまった例も報告されています。 プロの佐藤さんも「基本的に霧吹きは使わない」とおっしゃっていました。貼り直しがきく段階なら思い切って貼り直すのが確実ですし、霧吹きを使う場合でも一度に吹きかける水の量を控えめにし、乾燥後に枠が歪んでいないか注意深く確認するようにしましょう。 Q2. 障子紙は毎年張り替えないといけないの? A. 昔は年末の大掃除で毎年張り替えるご家庭も多くありましたが、現在では毎年張り替える必要はありません。近年は障子紙の品質も向上し、破れにくい強化紙も増えています。「破れたり黄ばみが酷くならなければ3~5年に一度の張り替えで十分」というのが一般的です。 日当たりが良く常に日光にさらされている障子は紙が傷みやすいためもう少し早めでも良いですが、無理に頻繁に替えることはありません。紙が破れたり汚れが気になってきたら交換のタイミングと考えましょう。 Q3. 両面テープやアイロンで貼るタイプの障子紙も気になります。違いはありますか? A. 両面テープ式やアイロン式の障子紙は、初心者には扱いやすく時短になるというメリットがあります。アイロン式はアイロンをかけるだけ、テープ式は糊を使わずシール感覚で貼れるため、手や周囲を汚しにくい利点があります。 ただし、これらは製品ごとに貼り方・剥がし方のコツが異なります。例えばアイロン障子紙は温度管理やアイロンを当てる時間に注意が必要ですし、テープ式も一度貼ると貼り直しが難しい場合があります。また、仕上がりの風合いという点では、昔ながらの糊貼りは紙がピンと均一に張って美しく、時間が経っても剥がれにくいという声もあります。 どの方法にも一長一短ありますので、「手軽さ優先」か「伝統的な仕上がり重視」かで選ぶと良いでしょう。迷ったときは当店にご相談いただければ、用途に合った障子紙選びをお手伝いします。 Q4. 自分で張り替える自信がない場合はどうすればいい? A. 張り替え作業が不安な方、あるいは枚数が多くて大変な場合は、プロに依頼するのも一つの手です。【和室のプロ】である建具職人に任せれば短時間で綺麗に仕上げてもらえますし、初心者にありがちなシワやたるみ、貼り直しのリスクもほとんどありません[36]。自分で失敗して紙を無駄にしたり、何度もやり直す手間を考えると、プロに任せてしまったほうが結果的に時間もコストも抑えられるケースも多いです。 さらに業者ならではの豊富な紙の種類から選べる強みもあります。部屋の雰囲気に合わせたデザイン紙や、障子そのものの新調・リフォームなど、プロならではの提案も受けられるでしょう。もしDIYに不安があるときは遠慮なく専門家に相談することをおすすめします。 ■まとめ 障子紙の張り替えは、正しい道具選びと手順のコツさえ押さえれば、初心者でも十分きれいに仕上げることができます。古い紙の剥がし方から糊の塗り方、仕上げのカットまでポイントを順に説明してきましたが、いかがでしたでしょうか?ぜひこの解説と動画を参考に、ご自宅の障子張り替えにチャレンジしてみてください。伝統的な障子が真新しく生まれ変われば、和室の雰囲気も一段と明るく心地よいものになるでしょう。 とはいえ、「自分でやるのはちょっと不安…」「忙しくて時間が取れない」という方もいらっしゃるかもしれません。その場合は障子.comをぜひ活用してください!障子.comではプロの建具職人による張り替えサービスの相談や、強度アップした障子紙・伝統柄障子紙など商品の購入も承っております。あなたの困り事やご要望に合わせて最適な解決策をご提案いたしますので、張り替えでお悩みの際はお気軽にご相談ください。 和の空間を支える障子を通じて、皆さまが快適で心安らぐひとときを過ごせますよう、障子.comがお手伝いいたします。ぜひ当サイトのサービスや関連情報も活用して、理想の和室づくりにお役立てください。 この記事と動画が、あなたの障子張り替えの一助となれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。これからも障子.comでは、伝統の技を活かした和の暮らしに役立つ情報を発信してまいります。障子や建具について何かありましたら、いつでもご連絡・ご相談ください。あなたの和室が素敵に生まれ変わるお手伝いができれば嬉しく思います。では、楽しいDIYライフと快適な和の住まいをお楽しみください!